「とくとく」

 日本でのCM撮りの終わったフォルゴレは、まっすぐサンビームの住まいに向かった。1本のワインを土産に。
 自分たちのパートナーである魔物の子達は、昼間近所の公園でたっぷり遊んだとのことでサンビームのベッドでぐっすり眠っていた。
 その寝顔をこっそりのぞいていたフォルゴレにサンビームが声をかける。
「まるで父親のようだよ」
「君ほどじゃないさ」
 居間にはフォルゴレの持ってきたワインとグラスが二つ、サンビームが作ったらしい酒の肴が並んでいた。
「いつもはイタリアワインを持ってくる君が珍しいね」
「解禁したから、ぜひ一緒に飲みたくてね」
「光栄だ」
 極上のルビーよりも深い紅の色がワインの質を物語っている。それぞれのグラスを掲げて二人は乾杯した。
「キャンチョメやウマゴンやみんなの健康に乾杯」
「スーパースターの活躍に乾杯」
「エンジニアの偉大な夢に乾杯」
「魔界の王を目指す子供たちに乾杯」
「愛しい君との夜に乾杯」
「・・・・・・」
 まだワインに口をつけていないのに真っ赤になってしまったサンビームをかわいいと思いながら、フォルゴレは芳醇なワインの香りを楽しんだ。
「うむ、これはまるで一晩たっぷりと愛し合った後、隣で眠る君を包むシーツをそっとめくったときに感じる胸いっぱいに吸い込みたくなるような匂いを思わせる味わいだ」
「・・・ちっとも美味しそうな表現に思えないんだが」
 眉をひそめるサンビームに、とびきりの笑顔が応えた。
「私にとってはどんな媚香よりも燃える匂いだよ」
 臆面もなく口説くフォルゴレに、サンビームはこの後のことを想像して顔を上げられなくなるのであった。



フォルサンです。本物のフォルゴレはもっと素敵な言葉で口説くんでしょうね。ウヌウ。


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