「くらくら」

 長い間パートナーのいなかったウマゴンが見つけたサンビームという人物は優しい人だった。まだ幼いウマゴンをまるで実の親のように可愛がっている。
「ウマゴンはサンビーム殿がパートナーで幸せなのだ」
 ガッシュはサンビームと二人きりになった機会に、友達の幸運をうらやむようにそう言った。
「清麿はいつも私のことをガミガミ怒ってばかりだぞ」
 確かにガッシュのパートナーである清麿はなにかとガッシュのことを叱る。そのたびにサンビームは清麿が自分のパートナーを成長させたいと願っていることを感じていた。だが、ガッシュは口を尖らせて続ける。
「私もこわい清麿より優しいサンビーム殿とパートナーになりたかったのだ」
「ガッシュ」
 サンビームの声は穏やかだったが、聞き流すことのできない響きがあった。
「それは本心かい?」
 明緑色の視線を受けたガッシュは大きく首を振る。清麿はガッシュの大切なパートナーだ。自分の「やさしい王様になる」という望みのためにいつだって傷だらけになって戦ってくれている。
「・・・・・・すまぬ」
 素直に謝る魔物の子の頭をサンビームは大きな掌で撫でた。
「怒ったわけではないよ。ガッシュならちゃんと清麿の気持ちがわかっているだろうと思ったからね」
「ウヌ!」
 一転して明るい表情になったガッシュはサンビームの腕につかまって笑った。
「だがサンビーム殿とパートナーになりたいと思ったのは嘘ではないぞ」
「ありがとう」
「サンビーム殿にはわたしの”お母さん”になってほしいのだ」
「お母さん? 私は男だから、君の親代わりになるとしたら”お父さん”だと思うが」
「”お父さん”は私がなるのだ!」
 ガッシュの言葉の意味が判らず、サンビームは首をひねった。その様子にガッシュが訊く。
「ヌウ? 結婚とは”お父さん”と”お母さん”になることであろう」
「け、結婚?!」
 思わずたじろいだサンビームにガッシュが続ける。
「私の母親が言っておったのだ。優しいお母さんになってくれる人と結婚するのだぞ、と」
 そう力説する子供の姿を見ながら、サンビームは遠い世界にいるガッシュの母親に一言言いたいと真剣に思った。
 ガッシュの結婚観には大きな間違いがある。男同士では”お父さん”と”お母さん”にはなれないのだ。彼の母親はそのあたりをきちんと教えていないのだろうか?
「私が大きくなったら、結婚しようぞ」
 どう説明したら、この純真な魔物の子を納得させることができるのか。ひそかに頭を抱えるサンビームであった。



ガッサンです。プロポウズしてますよ(笑)。しかも”お父さん”と”お母さん”、ガッシュ産ませる気満々ですな。うひゃあ!


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