サンビームのアパート。
いつものように自分の読んでいる本に没頭していた清麿が、急に顔をあげた。
その気配に気付いたサンビームも読んでいた本から視線を清麿へと移す。
予想外に強い視線を自分に向けている清麿に、サンビームは首を傾げた。
「清麿?」
「俺はサンビームさんとずっと一緒に居たい」
座っていた向かい側の場所からサンビームへと近付きながら清麿は続けて言った。
「ずっとずっと一緒にいたい。
俺はサンビームさんが好きだ。
だからずっと一緒に居る。いいだろ?」
「・・・・どうしたんだい、一体?」
ムギュ、と抱きしめられた体勢でサンビームは間近にある清麿の顔をマジマジと見つめた。
そんなサンビームの態度に、清麿は口を尖らせる。
「なんだよー。人がせっかく愛の言葉を囁いてるってのにその態度は」
「だって、あんまりイキナリで。その本に何か書いてあったのかい?」
「あ?バレたか?」
サンビームに言われて清麿はニ、と笑った。
「言霊ってさ。口から放った言葉には力があるってヤツ。
・・・これって日本だけじゃないのかな?ちょっと試してみたくなっただけだよ」
今更ながら照れたのか、頬を染めた清麿の言葉に、サンビームの笑みが深くなる。
「・・・そうだね、いろんな国で似たような文化がある気がするよ。
・・・って事は、確かにそういう力があるって事かもね」
そこまで言うと、サンビームは自分を抱きしめている清麿の顔を改めて見返した。
「私も、清麿のそばにずっと居たいな。
清麿が好きだから」
サンビームからのその言葉に、清麿の顔は更に赤くなった。
そんな清麿に微笑みかけてサンビームはまた口を開く。
「もうすぐ日本での初めてのクリスマスだ。
あと何回日本でクリスマスを過ごすかわからないけど・・・・」
一瞬の間を置いて、サンビームは続けた。
「その先のクリスマスも、ずっと清麿と過ごせたらいいなと、そう思ってるよ」
サンビームの言葉を目を見開いて聞いていた清麿が、一気に腕の力を強めて更にサンビームを強く抱きしめた。
「うん、絶対だ。俺たちはこの先、ずっとクリスマスを一緒に過ごそう。
どこに居ようと・・・絶対に」
真直ぐな清麿の言葉に、サンビームは嬉しそうに笑みを浮かべた。
すっかり大人になってしまった自分は、清麿のように「絶対」を100%信用できなくなってしまっているけれど、
それでも清麿とならば「絶対」も可能になるかもしれないと、そう思えるから。
自分を抱く清麿の背中を優しく抱きしめ返して、サンビームは言った。
「・・・うん。「絶対」だ。ふふ、こんな嬉しい約束が交わせるなんて、さっそく言霊の力が発揮されてるね」

ニコリ、と微笑みあって二人は今度のクリスマスの計画を立て始めた。
それは、とても幸せな作業。


 清サン強化月間に展示していた作品ですv

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