「らいらい」

 サンビームとパートナーになってからというもの、ウマゴンは彼にべったりであった。
 毎日のように彼の職場に押しかけ、仕事を終えた彼と共に帰路につく。サンビームは必ずウマゴンを高嶺家まで送ってくれた。
 今日も残業を途中で切り上げたサンビームは、飛びついてきたウマゴンを撫でてやる。
「遅くなってすまなかったね。さあ帰ろう」
「メルメルメ〜」
 こんなに毎日職場まで来なくても、サンビームの家に遊びに来ればいいだろうし、休みの日ともなればサンビームが高嶺家まで来てくれる。
 それでもこうして自分を待つウマゴンをサンビームは仕事の邪魔だと追い返すようなことはしなかった。
 わかっているのだ。心が通じ合っているから。ウマゴンの気持ちを。
 どうした運命の悪戯からか、二人が出会ったのは魔界の王を決める戦いが中盤を過ぎてからだった。残りの魔物の数は40をきり、戦いが終結するのもそう遠くない先のことであろう。パートナーたちに残された時間は長くないのだ。
 だから大好きなサンビームと少しでも一緒にいたい。会えなかった分の時間を少しでも埋めようと懸命になっているウマゴンを、サンビームはとても愛おしく思っていた。
「ウマゴン」
 サンビームに呼ばれて、ウマゴンは大好きな人を見上げる。明緑色の瞳は輝きはじめた夜空の星よりもずっとずっときれいだった。
「いつか君が魔界に帰っても、またここへ戻ってきたらいい」
 そんなことができるのか、サンビームは知らない。けれどもこの大切な魔物の子に確かな約束をしてやりたかった。
「私はいつまでも待っているからね」
 サンビームの笑顔にウマゴンは笑顔で応えられなかった。メルメルと泣き声を上げサンビームに飛びつく。
「こらこら、そんなに舐めたら息ができないよ」
 残り時間なんか関係ない。世界一のパートナーがくれた約束はウマゴンに大きな力を与えてくれたのだった。



ウマサンです。こんなんでもサン受けなのだと世界の中心で萌えを叫びたいです。


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