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「清麿っしつこ・・・っ」
「ほらほら、暴れない。どうせたいした抵抗できないんだから〜v」
ベッドの上、サンビームは息も絶え絶えになっている。
あれからカフサムだけではなく「暴れて指を傷つけないように」とご丁寧に手首もタオルで縛られてしまった。
そんな優しさを見せるくらいなら全部外してくれ、と思うのだが、すっかり清麿はこの悪戯が気に入ってしまったようで目下これを外そうという気はサラサラないらしい。
両手の使えない状態がこんなにも動きに制限を付けるものだとは思わず、最初は楽観視していたサンビームもベッドに押し倒されてから
やっと自分の状況をキチンと認識させられる事になった。
今もしつこく自分の胸部に舌を這わせる清麿から逃げる事も退ける事も出来ず、ただ荒くなる息の合間に言葉を口にのぼらせているだけだ。
圧し掛かられているせいで腕が痛む。
我慢出来ずにサンビームは叫ぶように言った。
「清麿っ腕が痛い!もういい加減この悪戯を止めてくれないか?」
「ああ、そうだよな」
顔を上げて言う清麿に、やっと腕を解放してもらえると思ったサンビームは、いきなり体を反転させられて目を見開いた。
ベッドにうつ伏せになれば確かに腕への負担は減るが、そういう事じゃなくて・・・。
「これなら腕も痛くないだろ?」
「そう、じゃなくて・・・っ」
頭を必死に捻って背後の清麿に苦情を言おうとしたサンビームは、いきなり腰を掴まれて臀部を高くされた事に驚いて頭を真っ白にさせた。
今まで幾度か清麿とセックスはしてきたが、この体勢は初めてで。
今の自分の恰好がどれだけ恥かしいものかと考え付いてサンビームの顔は一気に赤に染まった。
「清麿、イヤだ!こんな・・・ひあ!」
なんとか逃げ出そうとしたサンビームの体を押さえ込んで、清麿の舌がサンビームの最奥を舐め上げる。
途端にサンビームの体が跳ね上がった。
舌による柔らかい刺激に、体が震える。とんでもない声を出してしまいそうになってサンビームは口元にあった枕を噛み締めた。
そんなサンビームの反応に清麿の動きにも激しさを増す。
舌と指を使って奥を解きほぐされるその感覚に、サンビームの足が幾重にもシーツに皺を作る。
ひたすら枕に歯を立てて声を出さないようにこらえるが、どうしても呻き声がもれて、その事がまたサンビームの羞恥心を煽った。
清麿の舌が臀部から背中へ移り、覆い被さるような形になった頃、サンビームはもう体中に汗を滲ませて清麿から与えられる刺激に
体を震わせるだけになっていた。
拘束されたままの腕も、もう痛みや痺れを通り越して、感覚を失っている。
「サンビームさん」
背後から耳元で囁く清麿の声に、またサンビームの体が震えた。
「力抜いててくれよ?」
その言葉と同時に自分に入り込んでくる清麿を受け入れようと、サンビームは必死に体の力を抜くよう小さく息を繰り返す。
どんどんと押し広げられる刺激に、サンビームの体がひくつく。
「んぅうっ!」
ぐい、と最後まで入り込まれて、サンビームは我慢出来ずに呻いた。
体勢のせいなのか、いつもよりも深くまで清麿を感じ取ってサンビームの肌が粟立つ。
「・・・・は、ぁ、あ・・・」
「う、わ。この体勢ってスゴいな」
清麿が上擦った声を出した。
入り込んでいる清麿がズクリと脈打つのを感じられて、サンビームの頬が赤くなる。
その体を清麿が背後から力を込めて抱きしめてきた。
圧し掛かられた分、これ以上ないほどに清麿が自分の中に押し入って来たのを感じて、サンビームの息が詰まる。
「清麿っ、も・・・キツ・・・っ」
そう言って涙目で自分を見上げてくるサンビームの表情に、清麿の目が釘付けになった。
ただでさえ、男の征服欲を刺激するバックからの体位で、腕を縛られて。んでそんな顔で涙目で見上げてくるって・・・。
「・・・あんた、エロ過ぎ」
清麿はサンビームの腰に手を添えると、欲望の侭に動き出した。
「っまろ・・・っ!無理、も・・・っ」
激しく突き上げられ続けて、サンビームの目から止め処なく生理的な涙が零れ落ちる。
自分の懇願もまったく聞こえないような清麿のキツい攻めに、意識も朦朧としてした。
その激しさとは裏腹に快感を感じ取れなくなって、サンビームは首を振る。
腕を拘束されているとはいえ、これは自分も望んだ交わりのはずなのに、やたらと瞼が重い。
快感を、感じられない。
自分と圧し掛かってくる清麿の体重を一点で支えている肩が痛い。
・・・ただ、痛みと疲れだけを感じる。
さっきまでは確かにあった体を走る刺激も霞んできて、サンビームは声を殺すために噛み付いていた枕から口を離した。
「・・・清麿・・」
サンビームの体を貪っていた清麿は、恋人の声のあまりの虚ろさに動くのを止めた。
「サンビームさん?」
「清麿・・・痛いし、疲れたよ・・・・なんだか・・・」
そこまで言うとサンビームは瞼の重みに耐えかねて、その瞳を閉じた。
朦朧としていた意識が、ふと浮上する。
自分の頭を撫でる気配に身じろぎをした途端、肩と手首に鈍い痛みが走りサンビームは眉をひそめた。
「・・・サンビームさん?」
清麿の硬い声が聞こえてきて、サンビームはやっと自分の今の状態を思い出した。
目を開けると、不安そうな顔をした清麿が覗き込んでいる。
気付けば腕の拘束が解かれていた。
まだ痺れの残る両腕ごと、掛け布団と一緒に清麿に抱きこまれている状態である事にやっと気付く。
「・・・清麿」
「ゴメン、本当にすまない、俺、自分勝手に盛り上がってた」
清麿の言葉を聞かなくても、その気持ちは気配として強く伝わってきていて、サンビームはまだ上手く動かない腕をなんとか清麿の頭へと持っていく。
そしてぎこちないながらもポンポンと頭を撫でて、サンビームは言った。
「もう、いいよ。君くらいの歳って色々興味がある頃だしね。でも正直今日のはちょっと私には荷が重いな」
「ホントごめん・・・」
「・・・・君の相手は私じゃ力不足なのかもね?」
サンビームの言葉に清麿が目を剥いた。
「そ、そんな事!・・・言わないでくれよ・・・・反省してるんだ、ホントに」
清麿の凹みっぷりにサンビームは苦笑を漏らした。
「ゴメンゴメン、言い過ぎた。今週は仕事もヘビーだったしね、私の方が元々ヘバってたっていうのもあるんだろうけど。
でももう、こういうのは出来たら勘弁して欲しいな」
「ゴメン・・・・この間クラスのヤツに借りた本見ててちょっと・・・その、色々と興味が湧いちゃってさ」
「なるほどね」
サンビームは溜め息をついた。中学生にいかにもありそうな話だ。
「でももう、しないから!・・・その。許してくれるか?」
耳がついてたらさぞかしぺったりと垂れていそうな清麿の態度に、サンビームは苦笑を深める。
やっと痺れの取れてきた腕を上げて清麿の頬を包み込む。
「じゃあ・・・これから仕切りなおそうか?」
「え!?いいのか???」
自分の言葉に一気に顔を明るくした清麿に、サンビームは苦笑いを浮かべつつ言った。
「このままだと疲れ損って感じだしね。それに・・・・後味が悪いよ」
今度こそ優しく降りてきた清麿の唇を受け止めながら、サンビームはその首へと腕を回した。
汗で滑る清麿の背中に腕を回して、サンビームは体を走る快感に素直に身を任せていた。
清麿が動くたび、確かに湧き上がるその感覚が妙に嬉しくてサンビームの口元が微笑む。
「なに?サンビームさん?」
自分を見下ろしてくる清麿に微笑み返して、サンビームは恋人の首筋を通る汗を舐め取った。
「キモチイイよ、清麿?」
「・・・俺も。あんたの中はサイコーだよ」
二人の荒い息を重ね合わせ、キスをする。
そのまま動きを早めだした清麿に、サンビームは快感を駆け上った。
イク瞬間のサンビームの嬌声はそのまま清麿の唇に吸い込まれ、その収縮に煽られて清麿もサンビームの中へと欲望を吐き出す。
お互いに余韻に浸りつつ、目が合うと二人して苦笑いを浮かべた。
「こんなバタバタしたセックスは初めてだね」
「ホントに、ゴメン」
眉を下げて謝ってきた清麿に微笑んで、サンビームは溜め息交じりに言った。
「ふふ、もういいよ。でも本当に疲れた・・・」
今すぐにでも眠れる自信がある、と思いながら。
「サンビームさん、シャワー浴びに行こうか?
・・・・ってサンビームさん?」
清麿はつい数秒前まで言葉を交わしていた恋人が一気に眠り込んだ事に気付いて口元を弛ませた。
今日は無茶な事をしてしまって本当に申し訳なかったけど。
「・・・でもさっきのアンタ、本当にヤバいくらいエロかったよ?道具はもう使わないから、またバックからヤラせてくれないかなあ・・・」
恋人が不穏な発言をしている事も知らず、サンビームはスヤスヤと気持ちよく寝息を立てていた。
後書き
つー事でお題の「道具」を全然活用できないまま無駄に3ページもかかってしまいました・・・_| ̄|○
しかもエロくないしな!
1ページ目も最後がなければただのパパサンだしね・・・
ああパパサン、書きたいなー・・・どれだけ書いてないんだろ(@_@;)
せっかくお題くれたのに不完全燃焼でごめんなさい、Fさん!
んでもって道具って日用品が活用出来ると教えてくれたSさん、ありがとー!
あなたのあの発言により話が変わったという説が(笑)あ、でも作る事ないじゃんねえ、清麿もさ(苦笑)
もう一回これ系に挑戦しようかなー。次回は自サイトで!
お酒でフォルサンってどうよ!・・・って話書く気満々かよ!(自主的ツッコミ)
かなりの不出来なんですが、とりあえずFさまとSさまに捧げます・・・<(_ _)>・・・あ。いらない?そりゃそうかあ・・・(*_*;
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